大手太陽光発電会社が、Minitabでエネルギー効率を高め、売上高を年間100,000ドル増に

Minitab®のこのお客様は、世界的な大手太陽光発電技術および再生可能エネルギー企業です。20年以上、太陽光発電モジュールのリーディングメーカー、太陽光エネルギーソリューションのプロバイダーとなってきました。競争力のある、低公害の電力を、エネルギー買い手の大手に供給し、サステナビリティに取り組んでいます。

Photovoltaic panels of solar power station in the landscape at sunset. View from above.

課題

製造工程の原因不明の非一貫性

太陽光発電企業の中国上海拠点では、研究開発マネージャーが問題を抱えていました。現地のチームが、製造工程で、窒化ケイ素膜の膜厚に許容不可能なバラツキを見つけたのです。太陽電池の表面エネルギー効率を高め、社内基準を満たせるよう、膜厚を制御する必要がありました。理想的な膜厚は77~87nmです。

Control Chart Tube Film Thickness
Initial Process Capability Report for Thickness

上の図に示されているように、最初の工程で膜厚が上限を超えていることに気づきました。工程に問題がありました。ほとんどのデータが平均を上回り、工程能力は比較的低かったのです。結果として、工程の不良率がとても高くなっていました。

Solar panels and sunlight reflextions on the roof against blue sky background. Concept clean power energy.

ソリューション

プロジェクトチームは、膜厚の大きなバラツキの理由を分析し、考えられる要因を排除する必要がありました

製造ラインの根本原因を探す 

チームは、測定システムまたは工程エラーが膜厚の非一貫性の原因かを割り出そうとしました。業界標準の検査機器Topcon測定システムを使用して、膜厚と屈折率を測定しました。 

次に、MinitabのゲージR&R測定システム分析を使用して、バラツキが測定システムそのものによって生じたのかを確認しました。ゲージR&R測定の分析値は9.16すなわち10%未満で、Topcon測定システムが要件を満たしているので、問題を引き起こしてはいないことが示されています。 
 

Minitabブレーンストーミング ツールで可能性を絞り込む 

さらに影響を与えそうな要因を探し、Minitab Engageの特性要因図(魚の骨図)を使用してブレーンストーミングを行いました。チームは、特性要因図(魚の骨図)とリーダーの経験に基づいて、窒化ケイ素膜の膜厚のバラツキを引き起こしているのは、機械の誤動作か、工程の問題かの2つにまで絞り込みました。

  • 膜形成装置の流体を調整するバタフライ弁が洗浄される頻度
  • 炉の温度と炉内のケイ素の相対的位置 

まず、膜形成装置のバタフライ弁洗浄が問題かを調べました。バタフライ弁の洗浄頻度で膜厚に大きな差が出るのかを確認するため、Minitabで2標本t検定を作成しました。

estimation for difference

分析後、p値が0.05未満であるとわかりました。これは、バタフライ弁の洗浄前後で膜厚に有意な差があることを意味します。つまり、バタフライ弁の洗浄も、膜厚に大きな影響を及ぼします。見つけました!

次にあり得る膜厚のバラツキ原因を検定し、炉内の温度とケイ素の位置が有意な因子であることを判断するために、Minitabの回帰分析を使用しました。

発見事項

チームは、Minitabの能力分析と管理図を使用して、理想的な窒化ケイ素膜厚の生成に必要な条件を特定しました。 

  • バタフライ弁は1日2回洗浄する 
  • 適切な炉の温度。工程出力で示されたのは、炉の3か所の理想的な温度設定が炉の前金具で500°C/932°F、真ん中で480°C/896°F、底で472°C/881°F

結果

チームは、統計分析を使用して、理想的な工程パラメータを素早く見つけました。Minitabの回帰モデル内で、工程パラメータが調整され、窒化ケイ素膜厚の出力が安定しました。チームは調整されたパラメータを使用して検証分析を行いました。工程出力で示されたのは、3か所の温度はそれぞれ500°C、480°C、472°Cが最も理想的だということです。同時に、Cpkの値は1.67超で、工程能力指数は高く、事前の目標をはるかに上回っていました。

process capability
i-chart

Minitabの強力な統計分析を使用して、チームは的を絞った正確な測定を行うことができました。「前は継続的盲検を実施していましたが、仮説を定量的に試験できるようになりました。Minitabにはとても助けられました。「調査、仮説検定、確認、問題解決のさまざまな段階で、Minitab Statistical Softwareを使ったことで、問題解決までの時間を短縮できただけでなく、チームメンバーの決定の信頼性も高まりました。」と研究開発マネージャーは話します。 

チームは、窒化ケイ素膜厚を理解し、制御可能にすることで、太陽光パネルのエネルギー効率を81%から88%へと、7%高めることができました。現在の1日あたり6,048本の単管製造能力評価によれば、この対策で総売上高は年間650,000人民元(101,400米ドル)増えました。

Minitabのケーススタディーにアクセスする

ケーススタディーを表示するにあたって追加情報をご提供ください。

顧客

世界的な太陽光発電技術および再生可能エネルギー企業
 

組織プロファイル

  • 2001年創設
  • 2006年ナスダック上場
  • カナダ・オンタリオに本社
     

課題

世界的な大手太陽光発電技術および再生可能エネルギー企業は、製造した窒化ケイ素膜の一部の厚みが社内基準に満たないことに気づき、太陽電池表面のエネルギー効率を高めるために厚みを管理する必要がありました。
 

使用する製品

Minitab® Statistical Software
Minitab Engage™
 

ソリューション

Minitab® Statistical SoftwareとMinitab Engage™に含まれている強力なグラフ作成・分析ツールを使用して、膜厚の差の原因を特定し、是正することができました。
 

結果

  • 太陽光パネルのエネルギー効率を81%から88%へと、7%高めました
  • 総売上高を年間650,000人民元(101,400米ドル)増やしました