Lehigh Valley Health Network、Minitabを活用することで待機時間を短縮

The front of Lehigh Valley Hospital

Lehigh Valley Health Network (LVHN)は、100年以上の歴史を通じて品質のマイルストーンを達成してきました。最近では、その品質改善の取り込みに新たにLean Six Sigma toolsとMinitab統計分析ソフトウェアが加えることで、患者中心ケアの改善の実現へと繋げています。

医局チーフ、患者ケアサービス部長、ケア・マネジメントディレクター、医療外科サービスディレクター、2つの部門の看護師長、最前線の部門ナース、ケア・マネジメントスタッフ、組織有効性チームの推進リーダーを含むプロジェクトチームが Minitab を使用した改善に取り組んできました。

課題

隣接する2つの病院が合併することで、内科/外科および心臓病棟の患者数が40%増加しました。この増加に対応するために、LVHNプロジェクトチームは、患者の流れとスタッフの満足度の改善に関する調査を実施しました。これにより、2つの部門間で1か月あたり約550人の患者が退院していることがわかりました。

Minitabによる支援方法

LVHNプロジェクトチームは、14か月にわたってデータを分析し、一定の時間帯において同様の課題を発見しました。下の図1に示すMinitabの Dotplot を使用により、退院の95%と入院の57%が午前10時から午後8時の間に起こっていることがわかりました。

Graph showing admissions, discharges, and MRIs plotted against the time of day.

図1:(14か月以上入院している患者における)入院および退院時刻のMinitab Dotplotにより、この10時間の重要な時間帯が示されました。

「このデータを世界中の看護師に見せても、おそらく、だから何?と言われるでしょう。私たちもこれを理解しています。私たちにとってこれは日常なのです」とプロジェクトチームの推進リーダーであるPaul Kellyは述べます。「しかし、私が見たデータを彼らに共有して、視覚的に『これは本当に重要な部分であり、私たちが最も効率的に働かなければならない時間帯だ』と確認できたことは、私たちにとって転機となりました。この特定の10時間で大量の往来が発生します。私たちが行っているのは、この95%の患者を退院させることだけではありません。この時間帯には半分以上の入院の手続きを進め、それに加えてその他の患者をケアする必要もあります。」

部門スタッフがこの「ラッシュアワー」をより適切に対応できるよう、チームはどのように貢献できるでしょうか?当初は、以下の図2に示すような待機期間(Length of Stay, LOS)のデータが、57もの異なる退院場所に対して提示されました。y軸に滞在時間、x軸に退院コードが示されています。チームはこのデータをより簡素化することを求められ、Minitabの再コーディング機能により、LOSデータがはるかに解釈しやすくなりました。

LOS over 57 different locations.

図2:57もの異なる退院場所。

以下の図3に示すように、57もの退院場所を3つのグループに再コーディングした際、チームは次のことを自問しました。LOSの高い退院場所に焦点を当てるべきなのか、それともより多くの患者が退院している場所に焦点を当てるべきなのか。自宅退院した患者のLOSは3つのグループの中で最も低いことから、全体への影響は少ないことが考えられます。一方、高度看護施設(Skilled Nursing Facilities, SNF)への退院はLOSが高かったものの、高度看護施設への退院患者数自体は少ないものになっています。

Further breaking down discharges by Home, SNF, or Other.

図3:Minitabで57もの退院場所を再コーディングすることにより(示されている2つの部門に関して)3まで減らし、退院場所によるLOSの相関のより簡単で理解しやすい表示が提供されるようになりました。

結果

LVHNによるソリューションにより、過去に一度導入されたソリューションも再度役に立てることができると考え、すべての退院場所を対象としました。看護マネジメントは、入退院に加え直接患者ケアの責任を負う看護師の補助を目的として、2人の入院/退院に関する登録看護師(Registered Nurses, RN)を配置しました。

13か月の間、入院/退院に関するRNは2つのユニットにおいて、入院と退院手続きの全体の30%を担いました。この価値ある仕事の負荷を軽減することにより、患者の入退院をより迅速行うことができました。

Minitabの Histogram の機能は、進行状況を追跡することで、成果が持続しているかを視覚的に確認できるツールです。チームにとって、午後6時から深夜までの遅い退院時間を削減することが最も有益です。1日の24時間を6時間のグループに4分割して再コーディングすることで、チームはその日の早い時間における退院の変動を追跡することができます(図4を参照)。

Histograms showing progress or lack thereof

図4:自宅(上段)、その他(中段)および高度看護施設(下段)への退院、入院/退院RN活用の13か月前(左の列)と入院/退院RN活用の13か月後(右の列)。注:Y軸はその時間に退院した患者数、x軸は1日における退院時間です。

1日の最後の6時間におけるSNIFへの退院が42.7%から29.1%に減少したことで、13.6%という最大の改善が見られました。自宅およびその他施設への退院カテゴリでも、遅い時間での退院を減少させることができました。

退院場所入院/退院RN補助ユニットの開始 

午後6時から午前12時までの退院率 %

(13か月間のデータ)
入院/退院RN補助ユニットの開始 

午後6時から午前12時までの退院率 %

(13か月間のデータ)

入院/退院RNを活用する前後における、午後6時から午前12時までの退院の減少率(%)

 

 

高度看護施設42.7%29.1%-13.6%
その他36.9%28.8%-8.1%
自宅24%18.1%-5.9%

Dotplot、Boxplot、Interval Plot、HistogramなどのMinitabの品質ツールは、LVHNチームが改善の余地のある領域を選択し、解決策の有効性を経時的に検証するうえで役立ちました。

この説明は、バージニア州リーズバーグで開催されたMinitabの2019年の学識会議でのプレゼンテーションを基に作成されました。

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課題

隣接する2つの病院が合併することで、内科/外科および心臓病棟の患者数が40%増加しました。

 

使用された製品

Minitab® Statistical Software

 

MINITABによる支援方法

Minitab Dotplotによりデータを視覚化することにより、プロジェクトチームは退院の95%と入院の57%が、同じ10時間の時間帯内で発生したことを見出しました。彼らは、再コーディング機能を活用して視覚化を簡易化し、改善の取り組みを決定し、進捗状況の追跡を視覚的に確認できるツールとしてのHistogramを含む、Minitabグラフを活用して、効果を追跡することができるようになりました。

 

結果

看護マネジメントは、入院と退院手続きの補助を目的とした2人の看護師を配置し、患者の入退院をより早い時間帯に行えるようにしました。13か月の間、入院/退院に関するRNは2つのユニットにおいて、入院と退院手続きの全体の30%を担いました。